拒絶

世界の全てから拒絶された。世界がこんなに苦しいところだったなんて知らなかった。

私は今日も電車に乗って学校へ向かっている。どんよりした顔でスマホをいじっている作業服姿の禿げたおっさん。英単語帳を開いてこっくりこっくりしてる女子高生。スマホを横にしてゲームに夢中になっているスーツ姿のサラリーマン。

今日もまた、過ごしたくもない一日が始まってしまう。

電車の中は好きだ。誰も私を責めてこないから。誰も私を仲間外れにしないから。このままずっとどこにも着かなきゃいいのに。まだ暗い窓の外を眺めながらそんなことを考える。

それでもやっぱり世界は、止まらない時間は、私に厳しい。

「次は、〇〇駅、〇〇駅~」

目の前が真っ暗になる。鼓動が速くなる。行きたくない。行きたくない。行きたくない。お願いだから着かないで。

「〇〇駅、〇〇駅~」

気が付くと私はホームに立っていた。電車が去っていく。今日も私は、”何か”に学校へと引っ張られていく。


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